簡単に予防出来るのに、かかってしまうと大変な事になる病気が人間と同じように動物にもたくさんあります。
動物は自分から予防接種を受ける事は出来ません。
恐ろしい感染症などにかかってしまわないよう、
ワクチン接種、予防接種は必ず行いましょう。
-
-
フィラリア(犬糸状虫)は蚊の媒介により犬の心臓や肺の血管に寄生し、血液中の栄養分を吸って生きている、糸状の長さ17~28cmの寄生虫の名前です。フィラリアが感染して起こるフィラリア症は慢性症と急性症があります。
急性症は突然、赤い色の尿と呼吸困難・虚脱などの循環不全を主とした激しい症状を示し、何もしないと数日の内に死にいたることが多いので、速やかにフィラリア成虫の摘出手術を受ける必要があります。
慢性症の場合、二次的にさまざまな症状を示す心臓病となります。心臓機能の低下により全身の臓器がうっ血状態になり、肝臓・腎臓・肺などが機能不全を引き起こすようになります。通常、治療しても元のようには戻らず、最終的には死にいたることもあります。
ゼーゼーした咳をする、運動を嫌がる、痩せてきた、貧血気味になってきた、腹囲が大きくなってきた(腹水)、失神することがある、などは上記の病変が進行していることを示しているので、早期の対象療法が必要です。 -
-
狂犬病は、犬の仲間が感染しやすいウイルス性の病気です。この病気の恐ろしさは、症状の悲惨なこともさることながら、いったん発病すると現在の医学でも治療方法はほとんど無く、死亡率が100%というところにあります。
症状は眼をつり上げて鋭い目に変化、牙をむき見るからに狂暴な風貌と風体でうろつき、棒でも金網でも、目の前にあるものなら何にでも噛みついてしまいます。やがて体がマヒし、ヨダレを大量に流しながらうずくまり、ついには死んでしまいます。
人を含め、哺乳動物すべてがかかる死の伝染病が狂犬病なのです。狂犬病が疑われた場合には、関係当局へ連絡の後、獣医師により安楽死が行われ、脳の検査で狂犬病であるかどうかの確定診断が行われます。人間への感染の危険性から治療の選択はありません。
狂犬病はウイルスが体内に侵入し、脳や脊髄、眼球、神経などを蝕み1~2週間の潜伏期を経て、狂ったように人でも犬でも物でも何にでもかみつく狂躁期に入ります。厄介なのは、それ以前の潜伏期にも唾液にウイルスが混じっており、かみつかれれば感染してしまうことです。
犬を飼う場合には飼い犬を狂犬病から守ると同時に、社会に対する責務として「狂犬病予防法」に基づく、飼い犬の登録と狂犬病予防注射の接種が義務づけられていることを忘れてはいけません。 -
-
猫パルボウィルスによる感染症で、白血球が極端に減少し、食欲が無くなり、高熱、嘔吐、下痢が続き、激しい脱水症状となります。体力の無い仔猫の場合はたった1日で死ぬこともある恐ろしい病気です。
-
-
白血病やリンパ腫、貧血、流産などを引き起こすほか、免疫力を弱めるため、他のいろいろな病気にかかりやすくなります。感染した猫は80%が3年以内に死亡するといわれています。
-
-
■ジステンパー(犬)■伝染性肝炎(犬)■犬伝染性喉頭気管炎(犬)■犬パラインフルエンザ(犬)■パルボウィルス感染症(犬)■犬コロナウィルス感染症(犬)■レプトスピラ症(犬)■猫カリシウィルス感染症(ネコ)■猫ウィルス性鼻気管炎(ネコ)■猫のクラミジア病(ネコ)など
避妊・去勢手術は全身麻酔を必要とする手術です。
メリットもありますが、その反面デメリットもあります。そのことをしっかり理解していただいた上で手術を検討してあげてください。
人間も同じですが、手術を行うことは少なからず、体に負担がかかります。その負担を考えると避妊・去勢手術を希望されない飼い主さんもいらっしゃるかも知れません。しかし、避妊・去勢手術を行うことによって、生殖器に関連する病気の予防、問題行動の抑制や生活の質の向上などのメリットがあります。
-
-
これは未避妊の高齢のメス犬で発症が見られます。
子宮の細菌感染による膿様物が子宮内にたまり、治療が遅れるとその細菌が、生み出す毒素によって死に至る病気です。
避妊手術にて子宮摘出を行えば子宮が細菌感染に侵されることは無くなります。 -
-
乳腺腫瘍は乳腺にできる腫瘍です。
犬の乳腺腫瘍の平均発症年齢は10~11歳です。
発症率は全腫瘍の30%でその半数が悪性腫瘍といわれていています。 -
-
犬の場合はオス犬が高齢で発生する病気で血便や、排便障害、などの症状を引き起こします。
この病気も精巣から分泌されるホルモンが発症に関与していると言われています。
去勢手術を行うことでこの病気の発症を予防する事ができます。 -
-
中年齢以降の雄犬に比較的よくみられます。
直腸を支える筋肉群が萎縮することにより、腸管などの器官が会陰部(肛門のまわり)の皮下に脱出する病気です。
詳細な原因は不明といわれていますが、性ホルモンの関与が推測されており、去勢手術によって、その発症を抑制できると考えられています。 -
-
高齢の雄犬でよくみられる腫瘍で、肛門周囲の皮膚に発生することが多いです。 良性の場合が多く、良性のものであれば、去勢によってその発育を抑えることができ、再発の防止にもなると言われています。
-
-
避妊・去勢手術は全身麻酔を必要とします。
麻酔に対してのリスクは0%とはいえません。
中には麻酔に対して、アレルギーを持っていたり、シーズーや、パグ、ボストンテリアなどの短頭種では麻酔後に気道が閉塞してしまう可能性もあり得るため 全身麻酔に関しては短時間であっても十分に慎重に行う必要があります。 -
-
避妊・去勢手術の後に肥満傾向になる犬や猫が多くみられます。
手術後に基礎代謝率が減少することによりカロリー要求が減ります。
行動範囲が狭まることで、運動量が減り、体重が増加してしまいます。
対策としては一定量の食事を規則正しく与え、適度な運動をすることです。
また、避妊、去勢した犬猫専用のフードなどもあり、手術後の肥満防止を図ることができます。